人は、一度に処理できる情報量には限りがあります。もちろん個人差はありますが、多過ぎれば「うっとおしい」と感じ閲覧をやめますし、閲覧動機を混乱させてしまい、本来の目的とは異なるアクションを起こしてしまう場合もあります。

しかし、人は「行動」によって「情報」を消化することができます。

例えばそれがスクロールだったり、目を動かして「文字を読む」と言う行動だったり、ボタンをクリックしてページを移動したりすることで、目から飛び込んできた情報量をリセットしながら、脳の中で「段落」や「順序」をつけ情報を整理し理解します。

そのため、健康系のホームページを作る場合には(商品のセールスページを作る場合もほとんど同じ)、ファーストビューでは「イメージを植え付ける」ことと「望んだ情報にたどり着いた」と落ち着かせるデザインだけを行います。

ファーストビューは画面をスクロールさせるためにデザインする

もちろん、この「ファーストビュー」だけの情報では、訪問者が求めている「解決策」は明示されていませんので、画面をスクロールし情報を探さなければなりません。

言い換えれば「ファーストビュー」は、画面をスクロールさせるためにデザインするわけです。

ファーストビューで、訪問者が「このページは読む価値がある」「このページの情報が欲しい」と感じさせたら、ガッチリ訪問者を閲覧者に変え、情報を適切に受け取ってもらわなければ、最後にあなたが提案するオファーに、同意して行動を起こしてくれることはありません。

そのためには、ファーストビューのすぐ下には、訪問者への「問いかけ」や訪問者への「メッセージ」を掲載します。この「問いかけ」や「メッセージ」によって、お客様の属性を絞っていくわけです。

参考サイトとしてご紹介している「菌活ブログ」は、集客サイトではないので、若干美容サロンのホームページ・デザインとは異なりますが、読者層をある程度、目的とした読者に絞れるような「導入文章」を掲載しています。

美容サロンの集客用ホームページの場合は、この「問いかけ」もしくは「メッセージ」を掲載した後に「初回お試し」などのオファー(提案)を提示して、詳細情報にアクセスさせるボタンを配置します。

ここで、その提案に応じてアクションを起こしてくれる閲覧者は、あなたの問いかけやメッセージに共感してくれた人ですので、「初回お試し」などの詳細ページの情報に触れる場合も、その「共感」を維持して閲覧してくれます。

「提案」は、選択かスクロールかを決断させている

しかし、この「1つ目の提案」に応じなかった閲覧者は、まだ、あなたと共感できていない人たちですから、スクロールした先では、明確に「問いかけ」を行うことがとても大切です。

この時の「問いかけ」は、検索経由のアクセスも意識して検索キーワードを含んだ問いかけでなくては、スルーされてしまいます。

検索キーワードに呼応した問いかけと、それに続く2つ目の提案もスルーした人は、あなたと共感することよりも、「あなたが信頼に値する人かどうか」を確かめなければ、共感できそうなメッセージでも反応できない、どちらかと言うと「慎重な人」です。

このパートには、ファーストビューに呼応したデザインを採用し、アットホームなファーストビューを採用したのなら、「やわらかなデザイン」でお客様の声を掲載します。

逆に優雅なファーストビューやゴージャスな、お店の雰囲気をファーストビューでイメージさせた場合は、受賞歴や取材歴など「権威性」を感じ、ファーストビューで抱いたお店へのイメージを裏付ける情報を掲載し、閲覧者のハートをガッチリ掴みます。

そして、第3の提案です。

スクロール量とオファーのバランスをデザインする

今回ご依頼いただいたサロンのホームページでは「アットホームなサロン」としてデザインしましたので、遠方からの集客は、あまり期待していません。そのため、店舗情報を掲載して、閲覧者に、そのサロンが「活動エリア内かどうか」を確認いただき、最終的な選択を促すようにしました。

あなたがこれから作成しよう、もしくはリニューアルしようと考えている場合で、遠方からの集客も望んでいる(今も、遠方からのお客様が一定割合いる)場合は、この「第3の提案」では、もっともリピート性の高いサービスのオファーを行います。

サロン系のホームページのトップページでオファーしても良い数は、多くても5つだと私は考えています。それ以上だと、それぞれのオファーを提示する誘導文章に違いを持たせにくくなり、訴求力が弱まるのと、閲覧者を悩ませてしまうため、5つまでと私は決めています。

閲覧者のアクションを誘発するデザイン

「閲覧者のアクション」というのは、「画面のスクロール」もアクションですが、この段落では「ボタンをクリックする」「電話をかける」と言う2つを「アクション」として解説します。

前段の『スクロール量とオファーのバランス』では、オファーの数はサロン系サイトのトップページでは5つまでとお伝えしましたが、詳細ページやセールスページ(ランディングページ)では、1種類だけとなります。

なぜ、トップページには5種類のオファーを準備して良いのかといえば、トップページへのアクセスは、美容サロン系のホームページの場合なら名刺やチラシ、ポータルサイトからのアクセスも発生するためと、検索経由のアクセスだったとしても、比較的、漠然とした欲求にヒモつくキーワード経由でのアクセスが想定できるので、複数オファーを準備する必要があるわけです。

行動を起こさせる「オファー」の流れ

今回解説している美容サロンのホームページ・デザインでは、集客コストをバンバンかけ、新規客を集めるサイト作成ではなく、リピート率の高いお客様に、あなたのお店を選んでいただくためのデザインです。

リピート性を見込める閲覧者がホームページ上で行動を起こすのは、次の順番で行動を起こします。

共感
期待
信頼

「人は衝動で買い、買った後に理屈で自分を納得させる。」

と、言われますので、衝動を煽るサロン系ホームページも少なくありません。

「衝動を煽る」と言っても、サロン系のホームページをデザインする際に「恐怖」や「不安」を煽るとマイナスでしかありませんので、多くの場合「キャンペーン情報」をページ上部に掲載して「期待」を煽ります。

しかし、「共感」を得る前に「期待」を煽ってしまうと、「価格」にしか共感しなくなるので、リピート率を期待するのは難しくなります。

閲覧者から共感を得るための文章デザイン

閲覧者との「共感」を得るためにも、「感情の起伏」は重要です。検索経由であれ、SNS経由であれ、ホームページに訪れる際には、少なからず「何かを期待」して、閲覧を開始します。

この期待に対して、ファーストビューで「その期待はこのページでかなう」という安心感を与えて、その「期待」が続いているためスクロールが起こります。

「共感」は、「安心」の積み重ねの結果得られるものだと私は考えています。

そのため、美容サロンのホームページなら、「閲覧者のサポーター的存在」であり、時には「先生的存在」でも良いと思いますが、「期待」させる情報ではなく、ページの冒頭では「安心感」を得られ「共感」を得るために必要な情報を掲載します。

「共感を得る」と言っても、「あなたはAでありませんか…?」「それともBで悩まれているのですか…」「分かります、実は以前の私も…」といった、ありきたりなフレーズを使っても意味はありません。

「共感を得る」と、書きましたが、本当のところは、あなたが、そのページで提示するオファーに同意し行動する閲覧者だけを次にスクロールさせる「チェック・ポイント」的な情報を掲載するのが「共感を得る」ためには有効です。

1つ目のオファーは「初回体験」や「お試しプラン」の紹介をするページでも良いですが、そのページに移動するための「ボタン」に、「初回体験はこちら」と、書いてはいけません。1つ目のオファーに対して行動を起こさせる際のフレーズに「売り込み」は厳禁なのです。

「共感」は、安心の積み重ねであり、「共感」の積み重ねは、次の「期待」を大きく膨らませます。そのため、トップページの冒頭では「あなたのメッセージに共感できる人だけ」を対象にオファーを提示します。

そして、そのオファーとは、もっとも簡単に行動を起こすことができる「次のページを読む」という提案です。

トップページ中盤のオファーをデザインする

トップページに掲載する5つのオファーの内、最低3つは、より情報の多いページへの誘導をオファーとします。売り込みは、その「次のページ」で行うわけです。

前半で、お問い合わせや予約ページに閲覧者を誘導するのは時期尚早というものです。

ページの中盤に差し掛かった閲覧者は、あなたに対して、まだ「しっかりとした共感」を感じてはいませんが、ページから離れていない以上、なにかしらの「期待」を抱いています。

そこで、前半のオファーをスルーし、トップページを読み続けている閲覧者に対しては、あなたが提供できるサービスの中から、もっとも「期待される」サービスを選び、そして、もっとも「期待に応えられる」サービスに繋がる「情報」を掲載します。

この「もっとも期待されるサービス」「もっとも期待に応えられるサービス」は、あなたが提供しているサービスの中でも、高額なサービスである場合が多いでしょう。

そのサービスに関する「情報」を誘導文としてまとめ、その詳細の書かれたページの閲覧をオファーしてください。

あなたが提供できる、もっとも高額なサービスは、きっとサービスに対するあなたの自信も大きいことでしょう。このオファーへの誘導文章には、200文字程度で、そのサービスを受ける必要性と、サービスを受けた後の変化を「現在形」で作文し掲載してください。

トップページ最後のオファーへの誘導

仮にトップページに5つのオファーを掲載するとしたら、最後のオファーは5つ目となります。それまで、4つのオファーでは、顧客対象をセグメントする「共感」にヒモ付くオファーを2つか、3つスルーし、閲覧者の期待に応える最高のサービスやもっともコストパフォーマンスの高いサービスを提案してきたにも関わらず、スルーした閲覧者とは、どんな心境にあるでしょうか…。

私は、まだそのオファーを提案している人物のことを「信頼」しきれていない閲覧者がページ終盤まで画面をスクロールし、最後のオファーにたどり着いていると考えます。

訪問者から信頼を勝ち取るためには、実績や受賞歴、お客様の声を掲載するだけでは足りません。「信頼を勝ち取る」と書きましたが、正確にいうと「信頼」は勝ち負けではなく「選ばれるか否か」でしかありません。

「選ばれる」ためには、閲覧者が求めている「情報」の提供が必要です。

しかし、トップページで長々と文章を書くのは禁物です。トップページだけで滞在時間を蓄積してもSEO的には、ほとんど意味がないからです。

次のページにアクセスを誘導し、ページビュー数を蓄積してはじめてSEO的にも良い影響を蓄積できます。

また、人は、単調な作業の繰り返し状態にある場合、心境の変化も起こしにくい傾向にあります。「画面をスクロールし文章を読む」という単調な行動だけでは、心境の変化も起こらないというわけです。

そのため、最後のオファーに近づく前に「動画」の掲載も有効です。前回の記事(訪問者を引きつける美容系ホームページのデザイン)でご紹介した、背景のアニメーションなどを使って、視覚刺激に変化を与えても良いでしょう。

なぜなら、トップページ終盤まで読み進めている閲覧者は、あなたのことを「信頼」するために必要な情報をさがしているので、ある種の「集中状態」にあります。

この「集中状態」を一旦、崩すことで閲覧者の緊張をほぐし、最後の提案に向かわせるのです。

トップページ最終オファーをデザインする

トップページの最終オファーで、オススメなのはメールマガジンへの登録です。メールマガジンを配信する余裕がない方は、SNSアカウントのフォローでも良いでしょう。

このメルマガへの登録を促す際には「最新のキャンペーン情報などもメルマガで配信しています」と、記載して、「キャンペーン」というフレーズに惹かれる人をメルマガに引き込んで良いでしょう。

メルマガには、ウェブサイトに掲載した情報やブログ記事に書く情報とは、また違った受け止め方がなされます。SEOのことも気にせず、ざっくばらんな文章を書けるのもメルマガのメリットといえるかもしれません。

もし、あなたのサロンが提供する「キャンペーン」対象にしても最終的にお客様にリピートしていただけるサービスがあるようでしたら、「信頼」を「情報」で得るのではなく、「手技」で獲得してください。

トップページ冒頭に掲載される「キャンペーン」は「安売り」にしか閲覧者には映らず、あなたのお店を安っぽいお店だと感じさせてしまいます。

しかし、ページ最下部でのキャンペーンは、そこまでスクロールしながら読み進めてきた「情報」と「心境の変化」によって受け止められますので、ページ終盤でのキャンペーンへのオファーが有効に働くケースも多々あります。

全てのオファーをスルーされたら…

すべてのオファーをスルーされたら、もう、あなたの意図する方法で、その閲覧者を顧客に変える術はないと割り切ってください。

ページ最下部までに、あなたは、閲覧者と共感しようとし、閲覧者の期待に応えられると証明し、自信を持ってオファーを出し続けたわけです。

しかし、閲覧者は行動を起こさなかった…。

何が足りないのか…。
その足りないものは、何で埋めることが出来るのか…

それは、情報でしかありません。そのため、ページ最下部にはブログの最新情報を掲載し、フッター部分には、事務的なページ(会社概要やアクセスマップ、問い合わせや「予約フォーム」など)のリンクと電話番号を掲載します。

もう、ここまでスクロールした閲覧者には、「離脱か行動か」しか、選択する術は残っていませんので、気の利いた文章も必要なく、リンクだけ、ボタンだけを配置してください。

間違っても、SNSのタイムラインなんかを掲載する必要はないですからね!

【補足】
トップページの冒頭に「最新情報」として最新のブログ記事を掲載する場合は、トップページに担わせる「目的」自体が変化します。